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2010年12月

2010/12/08

本感想:切羽へ(井上荒野)

この本を読んでいたら、なんだか田舎暮らしがしたくなってきました。

主人公セイの一人称で文章が書かれているのですが、本文は標準語なのに会話文は方言になるのが、初めのうち馴染めなくて読みにくかったです。後半は慣れて気にならなくなりましたけどね。

南の小さな島で暮らす麻生陽介・セイ夫婦の間に、東京から転勤してきた石和が波風をたてるのかと思いきや、表面上はずっと仲良し夫婦のままでした。セイ自身にとりたてて事件が起きたわけではないけれど、月江・本土さんの不倫が奥さんにバレちゃったり、しずかさんが亡くなったりと周りに事件が起きて、まあダラダラした感じはあんまりなかったです。

主人公セイと言う人物は、どうも私にはつかめませんでした。明らかに石和を意識してるのに、近づこうとしない。それは、自分が陽介の妻だからなのか、それとも島の女だからなのか。警戒しつつも気にかけていて、結局二人の心は繋がることなく、石和が島を離れてしまった。タイトルにある“切羽”はトンネルを掘るときその先端をさしてこう呼ぶらしいのですが、トンネルが繋がると切羽はなくなってしまう、切羽はこの二人の関係を象徴してたんでしょうかね。

最後いろいろな騒動が収まって石和も島から消えた後、月江がセイの事を「妖怪ね」と言ったけれど、妙に納得してしまいました。

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