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2010年11月

2010/11/14

本感想:春琴抄(谷崎潤一郎)

「究極のマゾヒズム」
とりあえず、そんな言葉しか浮かんでこないです。

春琴のついてはあまり心理描写がなされていなかったので、彼女が佐助との関係にサディスティクな悦びを見いだしていたのか、いまいちよく分からなかったですが、だからか佐助の献身ぶりがとても印象強く残ります。

封建時代のなごりの主人に対するの忠義心に、春琴を女神如く崇拝する信奉心が合わさったもの。なんていう単純なものではないですよね、佐助の行動原理は…。

その心情を理解することは到底できそうにありませんが、春琴と佐助二人の間にだけ通ずる何かがあったのだろうとだけは察することができます。ずいぶん歪んだ形ではあるけど、この二人は間違いなく愛しあっていたのでしょうねぇ。愛とは複雑です。

2010/11/10

本感想:風に舞いあがるビニールシート(森 絵都)  

短編集です。

一つ目の「器を探して」を読んだ時は、なかなか話に入りこんでいけなくて、こんな感じの話が続くのか?と少しウンザリしましたが、そんな事はなかったです。

“日常に起こった前向きになるちょっといい話”的なものが集められてて、ストーリーは正直ありがちと思ってしまうところがある。ですが、登場人物が犬の仮宿主のボランティアとか社会人学生とか仏像の修復師・国連の職員と、あまり一般的でない事をしている人達で、そこを掘り下げて書いてあるのが興味深いです。一つの作品書くのに、いろいろ調査してるんだろうなと感心してしまった。

一番気に入った話は、社会人学生が主人公の「守護神」。なんか、また勉強がしてみたくなっちゃいました。

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